SDGs事例紹介
- 情報更新日: 2021年03月12日
- 取材日:2021年03月12日
クジラに優しいホエールウォッチング
座間味村ホエールウォッチング協会
サービス業(レジャー・マリンアクティビティ)
クジラにストレスを与えないウォッチングを実践するため、ウォッチング船とクジラの距離などについて自主ルールを定めてウォッチングツアーを開催しています。
記事を読む前に知っておきたい予備知識
・ザトウクジラとは?
・クジラのアクション
・慶良間諸島でクジラが見られる理由
・エコツーリズムとは?
ザトウクジラとは?
ザトウクジラは体長13mから15m、体重約30トンにもなる哺乳動物です。
胸ビレが体長の約3分の1という長さで尾ビレの幅も体長の約3分の1ほどあり、頭部にあるコブも独特です。
ザトウクジラの名前の由来は「座頭」から来ており、「座頭」とは江戸時代の職業階級を表す言葉で「盲目の人」に使われ、「琵琶法師」もその中の一つでした。
ザトウクジラが潜るときの背中の丸い姿が「琵琶法師の姿」「楽器の琵琶の丸み」に似ていることからこの名前が付いたそうです。
クジラのアクション
ザトウクジラは求愛や威嚇、遊びなどでさまざまアクション(行動パターン)を見せてくれます。
全長10mを超えるクジラが水面で繰り広げる、ブリーチ、ブロウ、スラップなど、どれも迫力満点で凄まじいアクションです。
慶良間諸島でクジラが見られる理由
ザトウクジラの大半は夏は摂餌海域(エサを食べる北の海域)で過ごし、冬は繁殖海域(出産や子育てをする南の海域)で過ごして一年を通して回遊しています。
摂餌海域の冬は、エサが少なくなるとともに水温低下によりクジラの体温の損失も大きいため、ザトウクジラたちは夏の間にエサをたくさん食べて脂肪を蓄え、冬に暖かい海に移動します。
さらに暖かい海は出産や子育てに良い環境であるため、日本では小笠原諸島や慶良間諸島、その他フィリピンやハワイなどでクジラを見ることができます。
エコツーリズムとは?
沖縄県は、周知のとおり人気の観光地であり、観光業は県の大切な経済的柱でもあります。
県への観光客数は1995年頃から順調に伸びて、国内だけではなく海外からの観光客も増え続け、2019年には1千万人の大台にも乗りました。
しかしながら、同時に観光のための開発や、観光客によるゴミ問題などで、自然破壊やごみによる地域住民への迷惑被害など、『観光公害』とも呼ばれる問題も軽視できない状態となってきました。
近年はSDGsの理念と併せて『持続可能な観光』が叫ばれるようになり、観光を通して環境保全を考える『エコツーリズム』の形態が増えてきました。
エコツーリズムは、その目的のために小規模なツアーで行われることが多いのですが、エコロジカルな観光地づくりを促進するとともに、観光客自体のニーズも増えてきているようです。
地域の地道な取り組みが、「持続可能な観光」の実現を進めています。
SDGs取り組み内容
取り組みの概要
1991年に正式に座間味村ホエールウォッチング協会を設立し、クジラにストレスを与えないウォッチングを実践するため、ウォッチング船とクジラの距離などについて自主ルールを定めてウォッチングツアーを開催しています。
取り組みの詳細
【一般社団法人座間味村ホエールウォッチング協会自主ルール】という規則を作り、「1頭または1群の鯨に対してウォッチングボートは2時間を越えてはならない」や「親子鯨に対しての制限時間は、ウォッチング船全体で午前・午後それぞれ1時間以内とする」など、海域、鯨の種類、鯨との距離などを具体的に定め、鯨の自然な状態を維持し生態系に影響を与えないように活動しています。
また、環境省の依頼で鯨の観測、データ記録という生態調査も合わせて行っています。
今後の展開
- ホエールウォッチングツアー及び鯨調査の維持
- 海岸ごみ清掃活動など
取材を通して感じたこと
クジラへのリスペクト
今回の取材で特に感じたのはクジラに対する「リスペクト」の気持ちです。
動物園や水族館、植物園に行ったことがあると思いますが、動物は私たち人間を楽しませてくれます。
ただそこには動物たちを愛し、できる限りなるべく自然に近い状態やストレスがかからないように、飼育員さんが日々リスペクトの気持ちを持って頑張ってくれています。
今回のツアーでクジラも共通する部分あるんだなと感じました。
飼育されていない状態であることなど、条件は色々と違ってはいるのでなかなか同じように捉えるのは難しいですが、座間味村ホエールウォッチング協会もクジラにストレスがかからないようにクジラたちが安心してまた慶良間諸島・座間味島で子育てできるように自主ルールを設けてリスペクトの気持ちを持ってクジラに接していることを事務局のご担当者、漁船の船長、ガイドさんみんなから感じました。
[ 伊禮 ]
美しい自然をこれから先も
海は広くて、大きくて、美しくて、改めて感動しました。
大きなクジラがのびのびと生きていて、海にはどれぐらいの生き物たちがいるんだろうと考えたりしました。
海のゴミ問題などで苦しむのは、そこに棲む生き物たちです。
私たち人間は海にお邪魔しているという意識で、感謝の気持ちを忘れず、この自然を守っていくために動いていかなければいけないと思いました。
[ 松川 ]
自然や生物に対する畏敬の念
今回初めて直にクジラの活動を見ることができました。 ダイナミックなクジラの躍動感に感動すると共に、ガイドさんやホエールウォッチング協会の皆様の丁寧な解説を受け、自然や生物に対する畏敬の念を感じることができました。
協会の方に海ごみについて尋ねてみた時、今までの笑顔から深刻な顔つきになり、
「ひどいですね」
とおっしゃっていたのが印象的でした。村や多団体と協力しながらゴミ拾い活動も積極的に行っているとのこと。
人間と自然の調和を図るために、これからもできることから協力していきたいと思います。
[ 今井 ]
沖縄の海は美しいと改めて思う
初めてホエールウォッチングに参加しました。
クジラは写真や動画を通して見たことがありましたが、生で見るのとでは別物だと思いました。
海洋汚染の話題はニュースなどで見ていますし、海の生物が大変だとは思っていましたが、こうして実際に海に出てクジラを見るまで実感がなく、他人事のようにしか捉え切れていない自分を恥じました。
県内在住でクジラを見たことがない方は是非とも見て知って欲しいです。
沖縄の美しい海が今以上にもっと好きになれます。
[ 齊藤 ]
自然に感謝
ホエールウォッチングは私が幼い頃から良く行ってましたが、何度見てもテレビや新聞で見るより直接見た方がとても迫力があり感動しました。
それだけではなく、近年海洋汚染が目立ってきているので、こうして見れるクジラは将来見れなくなってしまうのでは!?と考えるようになりました。
ゴミをなるべく出さないよう工夫し、リサイクルできることは自ら進めていき、少しでも多くの海洋生物や動物そして自分の後に生きていく人達にも住みやすく気持ちの良い環境を維持していかなきゃなって思いました。
[ 長田 ]
何もかも大きいクジラ
春から夏にかけてはアラスカの海域で生活をしていて冬には出産と子育てのために沖縄近海に回遊してくるクジラたち。
その移動距離はなんと9000km。
海の中には目印などきっとないはずなのに、毎年同じ海に戻ってくる事や子育て中のクジラは
ほとんど食事をしない事など知れば知るほど興味がつきないとても可愛い生き物だと思いました。
これからもクジラが回遊して来てくれる様な環境を守らないといけないなと思いました。
[ 又吉 ]
最近更新されたSDGs事例紹介
おからを活用した製品開発
製造業
・おからを使った代替肉の製造・販売
・おからを使ったグラノーラの販売(イベント時のみ)
・牧場と提携し循環型の農業支援やジェラート作り
・ピッチコンテストでの最多マッチング賞獲得
・食品のアップサイクルに関わる企業との意見交換
・島ぜんぶでうむさんラボ賞を獲得!
地域の暮らしと水のつながりの向上を目指して
研究プロジェクト
持続可能な自然環境の維持と貢献に努めるべく、沖縄県をメインに日本国内外の水質調査等を通じて、陸から海へ循環する水の
水質改善や水不足の解消に関する取り組みを行っています。
また、地域住民への水についての指導やワークショップも行い周知活動をしています。
周りと違っても大丈夫!
NPO法人
・LGBTQ・性の多様性の啓発活動
・小中高特別支援学校児童生徒対象LGBTQ・性の多様性講演会、教職員研修、行政・大学・企業・保護者・一般対象等の講演会
・LGBTQ・性の多様性に関する授業作り・普及
・レインボーハートグッズ商品企画・普及
・LGBTQ・性の多様性に関する児童生徒、教職員等の相談対応