SDGs事例紹介

株式会社トリム リサイクル事業部
SDGs シンボルマーク
SDGs目標 8.働きがいも経済成長も
SDGs目標 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
SDGs目標 11.住み続けられるまちづくりを
SDGs目標 12.つくる責任 つかう責任
ガラス瓶から「スーパーソル」にリサイクル

株式会社トリム リサイクル事業部

リサイクル業
『捨てればごみ 活かせば資源』をモットーに、廃ガラスから多用途資材「スーパーソル」にリサイクルを行っています。

記事を読む前に知っておきたい予備知識

・循環型社会づくりのための3R「スリーアール」

・ダウンサイクルとアップサイクル

・一般的なガラスのリサイクル

循環型社会づくりのための3R「スリーアール」

産業革命以後、「効率性」と「規模」が追求されるようになり、大量生産、大量消費が当たり前の時代となりました。

修理するよりも、新しいものに買い替えた方が安いので、「使い捨て」の文化となりました。

しかしながら、資源の大量取得やゴミがあふれることで、自然環境が破壊されていく問題、資源枯渇問題など様々な悪影響が拡がり、持続可能とは言えない社会に陥っています。

そこで、限りある資源やエネルギーを大切に使うための「循環型社会づくり」が注目され、実現するためのキーワードとして3R(スリーアール)が掲げられています。

3Rとは、以下の3項目のことです。

 リデュース(Reduce) :ごみの量をなるべく少なくすること。

 リユース(Reuse)        :一度使ったものをごみにしないで何度も使うようにすること。

 リサイクル(Recycle) :使い終わったものをもう一度資源に戻して製品を作ること。

 

個人はもちろんですが、企業や団体で積極的に取り組んでいくことが望まれています。

 

 

スリーアール

ダウンサイクルとアップサイクル

「リサイクル」とは、使い古された製品を元の素材に戻す工程を経て、同じものや別の製品に生まれ変わらせることです。

リサイクルにも2つの方向性があります。それが、「ダウンサイクル」「アップサイクル」です。

「ダウンサイクル」とは、例えば、古くなったTシャツを雑巾にしたり、新聞紙を再生紙やトイレットペーパーにしたりと、どちらかというと元の製品よりも価値が下がってしまい、いずれゴミとなるリサイクルの事です。

アップサイクル」とは、例えば、廃タイヤチューブや廃棄消防ホースからカバンを作ったり、自動車の廃棄ウインドウガラスから、きれいな食器を作ったり、海洋ゴミから、シューズを作ったりと、高付加価値のまったく別の製品に生まれ変わらせるリサイクルの事です。

普段の生活でも、要らなくなった箱を植木鉢に使ったりなど、意識せずに行っていることかもしれません。横浜の赤レンガ倉庫なども、古い倉庫を観光スポットとして蘇らせるなど、アップサイクルの一例ですね。

アップサイクルは、単なる再利用のリユースとも違い、別の製品として生まれ変わることで寿命を長く引き伸ばすことができる可能性があり、よりサスティナブルとされています。

ロストカラーズ
エコアルフ スニーカー。甲を覆う部分には海洋ペットボトルから再生したポリエステル素材を、ソールには海藻樹脂を使用

一般的なガラスのリサイクル

ガラスは普段の生活でもガラス瓶を資源ごみとして出しているので分かる通り、リサイクルできる素材です。集めた廃ガラスを色選別したのち、細かく粉砕して、再び瓶を作ったり、建築用のガラスなどを作ったりできます。

しかしながら、色付きの瓶はリサイクルの用途が限られていて、元々リサイクルが難しい素材です。通常は、集められた廃ガラスは、リサイクルする製品によって素材を分けておく必要があります。特に色別に分けることが不可欠であり、例えば、無色のものと茶色のもの、その他の色を別々にしておくことが求められます。

こういった選別作業は1トンあたり7,000~8,000円と手間や費用が掛かると言われており、色付きの素材をどう活かすかという課題もありました。

 

このような課題を解決する一つの技術として、今回紹介する「スーパーソル」があります。スーパーソルの原料となる廃ガラスは色別に選別する必要はありませんので、リサイクル原料の回収もシンプルです。それでいて、様々な特性をもつ新しい素材が生まれることで、様々な用途に使えるようになっています。

知恵と技術によって見事に確立された、より循環型社会づくりを促進させるリサイクル方法だと思います。

スーパーソルの特長
スーパーソルの特長

 

ガラス瓶

SDGs取り組み内容

取り組みの概要

SDGs12 「つくる責任、つかう責任」にあるように、限られた資源を有効に活用するためのリサイクル技術が求められています。
株式会社トリムでは、廃ガラスを原料に独自の技術でから軽くて吸水性の高い軽石「スーパーソル」を自社工場内で生成しており、様々な用途に使用されています。

取り組みの詳細

廃ガラスを粉砕・焼成発泡して製造される無機系多孔質軽量発泡資材「スーパーソル」。

ガラスは元々天然素材で作られているので、土から土へのリサイクルとなる地球にやさしい土壌還元型資材です。

無数の穴が開いている多孔質のため、とても軽く、保水性に優れ、熱や薬品にも強いといった、特長を活かして、建築土木をはじめ、緑化、園芸の土壌に混ぜて、透水性・保水性を高めたり、水質浄化や断熱など、たくさんの用途で利用されています。

また、この技術は沖縄から全国に広がって、国内には既に12もの工場が設置稼働しています。海外では台湾で実績があり、海外からの引き合いも多くなっています。

今後の展開

・スーパーソルの更なる利活用の研究、展開
・国内での工場展開
・海外への展開

取り組みを通して

ガラスのリサイクルに取り組み始めたのは、もともと居酒屋を経営されていて廃瓶の処理に困っていたからだそうです。当時はリサイクルの仕組みもなく、ガラスの資源利用はされていなかったとのこと。

1995年に容器包装リサイクル法が制定されたこともあり、リサイクル事業に取り組み始め、様々な積み重ねで今に至っているという事です。

そもそも昔から「環境の事業は儲からない」と言われていたのもありましたが、沖縄には製造産業がほとんどない、ものづくりがベースにないと県が豊かにならない、という危機感のもと、使命感を持って取り組まれました。

経産省をはじめとした、様々な方々に支えられて、ようやく今の状態をつくり出せたのは、ほんの3年前くらいだそうです。

これからますますスーパーソルが活用されて、循環型社会の促進につながることを期待しています。

フォトギャラリー

取材を通して感じたこと

沖縄から世界に広がるリサイクル技術に感銘!

スーパーソルのデモンストレーションで見せていただいた吸水力実験で、既存の素焼きの瓦や珪藻土と比較しても、スーパーソルの吸水率の高さが一番であることに驚きました。

廃材から工夫を凝らすことで新しい価値が生まれるという点で、スーパーソルはアップサイクルの良い一例と言えるのではないかと思います。

また、居酒屋の廃瓶から世界に広がるリサイクル資材が沖縄から生み出されたことを間近に見せていただき、株式会社トリムさんの取り組みに感銘すると共に、これからの更なる展開に期待したいと思います。

[ 今井 ]

廃材を利用して新しい素材を生み出す

取材に伺うまで、ガラスはガラスとしてしか再利用されないモノだと思っていたのですが
ガラスが生活にかかわる分野から、防災、建築資材などとして
こんなにも多岐にわたる活用ができる資材になるのは驚きでした。
スーパーソルのように、使いやすくて環境に優しい資材が増えていくと
我々の暮らしも自然も豊かになり、いいなと思いました。

[ 又吉 ]

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公益社団法人 日本建築家協会が主催している「JIA 環境建築賞」

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2019年に住宅部門で「最優秀賞」を受賞しております。