SDGs事例紹介

記事を読む前に知っておきたい予備知識
・フードバンクの仕組み
・きっかけと「もったいない食品」
・沖縄の貧困問題
フードバンクの仕組み
食品会社や家庭から、食品の寄付があります。
それをフードバンク2h沖縄が個人や食品会社などから寄贈された食品を、
福祉施設や生活困窮者へ無償で提供できる活動です。
児童養護施設、ひとり親支援施設、障害者自立支援施設、ホームレス支援団体、個人世帯支援窓口、高齢者支援施設などさまざまな場所へ寄付された食料が届きます。
ちょうど私たちが取材に訪れた際に、「琉球通信工事株式会社」様が、沢山の食料を寄付していました。食品とは関係のない会社などがからこんなに沢山の寄付がありました。
きっかけと「もったいない食品」
立ち上げたきっかけは東京にあるフードバンクをテレビで見て、沖縄にも需要があると思い2007年に立ち上げました。
こんなに輸入に頼っているのになぜ、貧困が生まれるのか不思議に思っていました。
また、フードバンクを設立し、10年以上も経っていたのですが、広く認知されることはなく、ちょうどコロナ禍になりそれから認知されるようになり忙しくなり「世界食糧デー」にも取り上げられた実績もあり、企業、団体と無償で繋がる関係、信用が生まれるのが嬉しいと話していました。
期限が間近になった食べ物、見た目や形が悪い食べ物、買いすぎや作りすぎが捨てられてしまう食べ物などなどが毎日沢山捨てられています。
その量は年間500〜800万トンと言われ日本人一人当たりに換算すると毎日おにぎりを1〜2個分捨てていることに
相当します。
「もったいない食品」を捨てるのは心苦しい….
誰もがそんな思いをしているのではないでしょうか。そんな「もったいない食品」をフードバンクに寄付することで、「もったいない」から「ありがとう」へのお手伝いができます。
沖縄の貧困問題
県は5月31日、県内の子どもや保護者の生活実態を調査し、貧困対策の施策に生かす2021年度子ども調査の報告書を公表した。小学5年と中学2年の親子を対象に分析した結果、15年の初調査から改善した2018年調査と比べ、最も所得が低い層の割合が小学5年では1・8ポイント増の28・5%、中学2年では3・3ポイント増で過去最多の29・2%になるなど、初めて悪化した。新型コロナウイルスが家計に深刻な影響を与えており、低所得層ほど収入の落ち込み幅が大きいことも明らかになった。
調査では、世帯の手取り収入を世帯人数の平方根で割った「等価可処分所得」を算出した。困窮程度を低所得層Ⅰ(127万円未満)、低所得層Ⅱ(127~190・5万円未満)、一般層(190・5万以上)と分類した。
その結果、小学5年では低所得層Ⅰが28・5%、低所得層Ⅱが27・0%、中学2年では同Ⅰが29・2%、同Ⅱが24・9%だった。 ひとり親の場合は、低所得層Ⅰの割合が小学5年は68・9%、中学2年は66・4%となっており、ふたり親の2倍以上となっている。
世帯収入をコロナ禍以前の20年2月と比べた質問では、収入が「減った」「全くなくなった」を含めると小5・中2共に、一般層でも約4割おり、低所得層Ⅱは約5割、低所得層Ⅰでは約6割を超えた。経済的に厳しい世帯ほど苦境に立たされている現状が浮き彫りとなった。
調査票は市町村の人口比を基に学校を通して配布された。小5には3331世帯の親子に配布(有効回答数=子ども2387、保護者2386)。中2は3317世帯(同=生徒2494、保護者2496)に配った。調査期間は21年10月8日から25日。(嘉陽拓也)
2016年の調査時点で、全国貧困ワースト1になっている沖縄ですが、コロナ禍になり益々、状況は悪化しているようです。
SDGs取り組み内容
取り組みの概要
食品回収事業
食品分配事業
取り組みの詳細
企業様に協力してもらい食品の定期回収(飲料・食糧・加工食品・備蓄品など)
そのほか個人からの寄付を受け、児童養護施設、ひとり親支援施設、障害者自立支援施設、ホームレス支援団体、個人世帯支援窓口、高齢者支援施設など
さまざまな場所へ寄付された食料を提供しています。
その他、フードドライブ(団体や個人で食品を集めて寄付をする活動)をしています。
今後の展開
フードバンクを継続していきたいが担い手がいるのか心配
今のところ人員としては常勤が4名、非常勤が4名、登録ボランティアが9名いますが
代表の奥平さんは、大忙しで手が回らない状況と話していました。
もっと沢山の方々にフードバンクを知ってもらい次世代の担い手を増やしていきたいそうです。
また、フードバンク自体も、金銭面などでギリギリの状態にあります。循環型のフードロス削減、貧困対策を続けていくためにも
行政などの支援があるととても助かります。
これからも「もったいない食料」をメインに活動して行きたいと話していました。
また、企業、個人様などのボランティアも募集しております。
気になる方は、下記のURLにてお問い合わせ下さい。
取り組みを通して
フォトギャラリー
取材を通して感じたこと
もっとみんなに認知してほしい!!
こんなに素敵な取り組みが何年も前からあったのに、もっと早く知っておけばよかったと思いました。
また、沖縄県が、貧困率ワースト1なのに対し、あまり目を向けている人が少ないと思います。なのでこのような活動が
どんどん広まっていき、貧困が少しでも減ってくれればと思います。
私自身も幼少期に貧困を経験し、辛い思いをしたのでこのように、素敵な活動を
少しでも多くの方々に広められることができとても嬉しく思います。
本当にお忙しい中取材に応じてくれたフードバンクの奥平さんはじめ従業員の方々、本当にありがとうございます。
[ 安森 ]
たくさんの人の力で支えよう!!
県内でこのような取り組みがあるのが素晴らしいと思ったのと、丁度寄付をしに来てくれた企業様が食品に関わる会社では無く、社内で社員から集めた食品を定期的に集めて寄付しているということも驚きとともに気軽に少しでも誰かの為になる行動ができる場のフードバンクセカンドハーベストさんは素晴らしい施設だと思いました。
誰もが気軽にフードロスゼロも目指せ、そして必要なところに食材が届くという好循環が保てるこの仕組みが多くの人に知ってもらいたいと思いました。
ですがこの活動には金銭面での援助や食品の安定な寄付が必要です。その為個人のみならず行政からの支援などしてもらいたいと願います。
[ 新垣絹香 ]