SDGs事例紹介

SDGs シンボルマーク
SDGs目標 1.貧困をなくそう
SDGs目標 5.ジェンダー平等を実現しよう
SDGs目標 8.働きがいも経済成長も
SDGs目標 12.つくる責任 つかう責任
子育て世代の応援団

学生服リユース・リサイクル ゆいまぁる

衣料品小売業
学生服リユース・リサイクル

記事を読む前に知っておきたい予備知識

・沖縄の貧困問題

・制服費用

・活動を始めたきっかけ

沖縄の貧困問題

文部科学省が実施した2022年度(令和4年)の全国学力テストにおいて、中学生の正答率は全国平均が57パーセントだったのに対して、沖縄県は50パーセント。また、2022年のUS進学総合研究所の調査では大学進学率も、全国平均が56.6パーセントなのに対して、沖縄県は50パーセントとどちらも平均より低かった。

その大きな原因の1つが「貧困」だ。沖縄の1人当たりの所得は全国最下位。都道府県別の子どもの相対的貧困率(※)に関しても29.9パーセントとトップで、子どもの約3.3人に1人が相対的貧困ということになる。これは全国平均の2.2倍にも及び、深刻な問題だ。

※世帯の所得が、その国の中央値の半分にも満たない状態を指す
家庭の経済的事情を背景に子どもは進学を諦め、働かなくてはいけない。しかし、働いても収入は低い。そうして続く貧困の連鎖が、沖縄の教育格差を生み出している。

制服費用

公立中学校に進学した場合でも年間の学費は約49万円それとは別に入学時に平均10万円かかると言われています。

そして、その費用の中で最も高額なものが学生服です。ひとりあたり、約5万円かかります。

・学ラン・ブレザー 約20,000円

・ズボン・スカート 約10,000円

・シャツ      約4,000円

となっています。

 

活動を始めたきっかけ

代表の與那城さんがこの事業を始めたきっかけは、親戚の子どもが進学する話を聞いたとき、「学生服って思ったより高いんだなあ」と感じたことでした。

ですが当時は、学生服のリユース・リサイクルなどのお店などはなく、結局その親戚の方も正規の販売店で高いお金を払って購入していました。

そこで與那城さんは、中学生のお子様がいる知り合いなどに話を聞いてみました。すると、学生服だけでなく体操服、教材代なども重なり準備ができなくなって困っている話を多く聞いたそうです。

その時に、自分の子供の事ではなくても、とても心配な気持ちになったのを覚えています。

そして、ある日、何気なくテレビのニュースを見ていたら、沖縄の子供の貧困率は日本ワースト1、29.9%、3人に1人の子供が貧困状態にある、(出典:「沖縄県子どもの貧困対策計画」平成31年3月沖縄県作成)と報道されていました。

與那城さんはそれを見て、絶望的な気持ちになると同時に、勝手に「私がやらなければ」と使命感を感じ自分にできることを模索した結果、「学生服リユースリサイクル」という、これまで沖縄にはなかった子どもたちを救える方法にたどり着きました。

そして自宅の近所に小さなワンルームアパートの一室を、ご縁あって格安でお借りして、開業しました。

今では浦添市に店舗を持ち、県内全域の制服の取り扱うまでになりました。

SDGs取り組み内容

取り組みの概要

・学生服のリサイクル

・学生服の買取・寄付

・就労支援A型・NPO団体への委託

・学生服の販売

取り組みの詳細

ゆいまぁるでは、不要になった学生服を、買取、または寄付をしてもらい、その学生服を定価の約8割引で販売し、

ひとり親世帯や学校でかかる費用が高すぎて困っている方々に販売をしています。

また、ネグレクトなどで、「制服が買えない子がいる」と学校担任からの相談なども多数ありました。

あくまで困っている方々が対象なので、コスプレや宴会用での販売は一切行っておりません。

県内全域の学生服の取り扱いがあり、これまでにも沢山の方々からの寄付や買取で、安くで販売し困っている方々の助けになっています。

営業を始めた当初、口コミなどメディアなど多くで取り上げられ、県立高校の合格発表があった日には、200名近くのお客様がご来店されたそうです。

また、寄付や、買取をした学生服に関しての洗濯は「就労支援A型」で働いている方々に委託、刺繍剥がしはNPO団体に委託し、

しっかりと販売出来るまでの状態にして店頭に置いていて、コストの削減、循環型の活動にも取り組んでいます。

今後の展開

これからも沖縄県内で制服が買えなくて困っている方々に制服を届けられるように維持していき、

全ての制服が届き喜んでもらえるようなお店にしていきたいと話していました。

取材を通して感じたこと

もっとたくさんの人に知ってもらいたい!

最近は物価、電気代価格高騰で特に沖縄に関しては、子供の貧困率が全国でワースト1になっているというのもあり

それと共に、中学、高校入学シーズンはとてもじゃありませんが、高すぎる学生服に頭を抱えている親御さんは沢山いるでしょう。

そこでゆいまぁるさんの存在を知ってもらい、沢山の方々の助けになってもらえたらなと思います。

私自身子供はいないのですが、決して裕福な家庭で育った訳ではなくこのような出費で頭を抱えていた母親を何度も見てきました。

なのでこのような取り組みがあることを知りとても嬉しく思いました。

そして押し入れに埋まっている制服があるよー!という方ももっと増えこれで悩む方々が減ってくれたらなと思います。

お忙しい中、取材にご協力頂いた代表の與那城さん、有難うございました!

 

[ 安森 ]

人と人とのつながりに感動

不要になった物が次に必要な家庭へと繋がることで、資源の有効活用や子育て世代の家計をサポートするためのこの事業は、地域の学生とその家族にとって大きな貢献をしていると思いました。
価格の手頃さ、品質の良さ、安全性、SDGsへの貢献など、多くの面で優れた取り組みで、代表の思いもすごく伝わりました!

制服のリサイクルが当たり前の世の中になると子どもも親も安心して学校生活を送れると感じました。

 

 

 

[ 新垣 ]

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