山形市の老舗呉服店が「KIMONO(キモノ) SDGs」を提唱し、長く着た着物の汚れ落としや仕立て直し、再生、利活用に取り組んでいる。不要になった物に新たな価値を与え新しい物を生み出す「アップサイクル」の考えで、SDGs(持続可能な開発目標)達成に資する活動といえる。 取り組んでいるのは、山形市若葉町の「布施弥七京染店」。1647(正保4)年の創業時、着物の悉皆(しっかい)業務(洗浄や染め、仕立て直しなどメンテナンス全般)を手掛けていた。昔は1枚の着物を仕立て直し3代にわたり着用することは普通で、まさにSDGsの精神に合致する物だった。 現代ではSDGs達成に向けた取り組みが世界的に活発化。同店は原点に立ち返り、時代に即した新たな付加価値を提供しようとキモノSDGsを提唱した。SDGsの各文字を着物関連用語に当てはめ、「しみ抜き(S)代替わり(D)現代用途に(G)使用する(s)」とした。特に目標12の「つくる責任 つかう責任」に沿った活動だ。
着物は手入れすれば長く着用できる。キモノSDGsでは、着物をよみがえらせたり、新たな命を吹き込んだりする。長くタンスに保管された着物は汚れがあることが多く、同店は丸洗い(3980円から)やカビ殺菌(6800円から)を推奨。子や孫に受け継ぐ場合は、袖丈直し(8800円から)仕立て直し(3万円から)を勧める。 使い古した着物や帯はアップサイクルする。メッセンジャーバッグ(工賃1万3千円から)クッション(同7千円から)名刺入れ(同2800円から)などに作り直し、家族や親族の形見として身近に置くことができる。 現代のライフスタイルに合わせた使い方や新たな価値観を提供し、市民の日常生活に潤いと豊かさを与えたいという。布施将英(まさひで)専務は「呉服店の仕事は思い出づくりのお手伝い。タンスに眠る着物の利活用を考えるきっかけにしてほしい」と話している。
イメージとしておじいちゃん、おばあちゃんや親などが着なくなった着物は長くタンスに保管されているか捨てられてしまうというイメージがあります。
そういった物をSDGs の視点から見て、作った着物をしっかり責任を持って使う為にタンスに長く保管されていた着物を丸洗いしたりカビの殺菌、袖丈直し、仕立て直しやアップサイクルの観点からメッセンジャーバッグ、クッション、名刺入れなどの新しい物に生まれ変わらせるという取り組みをやっていてとても良い取り組みだなと思いました。
自分が使っていた物を自分の子供や孫に残したいと思うおじいちゃんやおばあちゃん、親はとても多いと思います。
このような取り組みをする人が増えることで捨てることなく次の代にも繋ぐことができるのではないでしょうか。