現状
沖縄本島は南北に細長く両端は100kmほどの距離があります。
鉄道網が発展している県外と比較すると、沖縄県では米軍基地などの関係で現在鉄道はなく、那覇市や浦添市など南部中枢にあるモノレール(ゆいレール)があるだけです。
路線バスはありますが、中枢市街地に集中して、地方では路線バスが通らない地域なども存在しています。
観光客が多く訪れていた背景からタクシーもそれなりに配備されていますが、どうしてもタクシーの利用は高額になります。
そのため、県内では移動に自家用車が欠かせない状況 であり、「車社会の沖縄」が出来上がっています。
朝夕の通勤時間帯には主要道路で交通渋滞が起こるのは日常茶飯事となり、渋滞による時間やコストの損失、ガソリン車による二酸化炭素や二酸化硫黄等の排気ガスによる環境汚染や地球温暖化への影響も無視できません。
さらに、現在コロナ禍の影響で、観光客頼りの公共交通機関はいずれも苦しい状況にあり、自家用車の代替になる道は遠く及びません。
何が原因なの?
戦前は、鉄道が走っていた時代もありました。
しかし、戦後多くの土地が米軍に押収されたこともあり、鉄道の開設には至っておりません。
近年、那覇から名護までを結ぶ鉄道案が議論され、実現に向けての動きもありますが、現状では高額な敷設費用、運営費用をまかなえるだけの採算がとれず、運営の事業自体が成り立つ見込みがなく、頓挫しているようです。
路線バスに関しても、自家用車が当たり前のように普及している沖縄では利用率が低いのが現状です。
そうなると採算が取れる路線での運用が優先されますので、利用頻度の少ない地域では路線バスが走っていません。
そういった地域の高齢者や子供たちなど、自家用車を持てない人たちが買い物や通院、通学などの移動に不自由を強いられているのが現状です。
解決への動き
近年県内では自治体による運送サービスができ始めています。
沖縄市など市町村がコミュニティバスを運行しており、路線バスと同じように時刻表に合わせてバス停を従来する形式と住民の予約に応じて走らせる「デマンド型」が存在します。
また、世界的に脱炭素の動きで電気自動車の普及が図られています。さらには、自動運転の技術も進んでいます。
日本でもバスやタクシーなど公共機関での電気自動車の活用や自動運転車も実験的に行われ始めています。
より便利で、環境にも優しい社会づくりが期待されています。