現状

赤土が流出することにより、河川や海によくない影響を多くもたらします。

河川

赤土が川底に沈むことにより、自然の浄化機能の低下や生活用水、工業用水の水質の悪化。 河底や岩などの藻類の減少しそれらを食べている生き物も減少してしまいます。

雨の影響でイノー(礁池)に流れ着いた赤土は流れ込んだ時のみではなく、風や波が強くなると海中にふたたび舞い上がり慢性的にサンゴ礁などへの影響があります。
赤土が日光を遮ってしまいサンゴが光合成をしにくくなり数が減少。 それに伴って、魚や小動物たちの住処もなくなりサンゴ礁に住む生き物全体の数が少なくなってしまいます。

  • 河川・沿岸海域における赤土等の堆積
  • 河川生態系への影響
  • 海域への赤土等流出によるサンゴ礁への影響
  • 沿岸漁業への被害
  • 自然景観の悪化
  • 観光関連産業への影響

 

赤土の流れる沖縄の海(読谷村)
赤土の流れる沖縄の海(読谷村)
赤土の流れる沖縄の海(本島南部)
赤土の流れる沖縄の海(本島南部)

 

何が原因なの?

沖縄の土壌粒子が細かく粘着力が弱いので赤土が流出しやすいことが原因で降雨により、土壌が侵食されることによって赤土が流出しています。

土壌が侵食される原因は大きく分けて「自然的要因」と「人為的要因」 に分かれています。

自然的要因
  • 気象的要因(降雨)
  • 土壌的要因(侵食されやすい土壌)
  • 植生的要因(土地利用、植生被覆)
  • 地形的要因(急峻な島嶼地域)
人的要因
  • 各種開発事業
  • 各種公共事業
  • 農地、裸地
  • 米軍基地、演習場

この中でも特に農地からの流出は多く、2016年のデータによると流出している赤土の約84%が農地からによるものだそうです。

解決への動き

995年に「沖縄県赤土等流出防止条例」が施行され、流出の多くが農地からと言うこともあってか、農地での対策が多く見つかりました。

農地での対策
  • グリーンベルト…畑の周りに植物を植え、濁水がそこを通るときにろ過される。
  • 緑肥…休耕地にはヒマワリなどの植物を植え、畑の裸地化を防ぐ。
  • 葉穀梱包…畑と水路の間にサトウキビの葉を束ねたものを並べ、濁水の流出を防ぐ。
  • マルチング…サトウキビの葉などで表土を覆い、土壌の侵食を防止する。
  • 畑の勾配修正…畑の傾斜を緩やかにして表流水の流れを弱める。

以上の対策が見つかりましたが、個人経営の農家が多く、費用と時間がかかるためなかなか手が出せないと言うのが実態です。
そういった問題を解決すべく行政からの補助金やNPO団体の協力もあるようです。