現状
沖縄の肥満の割合は全国ランキングで見ると15位ですが、20〜60代の肥満者の割合もすべての年齢で全国平均を上回っており、この結果が「日本一の肥満県」と言われるようになった原因です。
また、大人の肥満も問題ですが、深刻なのは子供の肥満です。
実に4人に1人の中学生が境界型糖尿病、つまり糖尿病予備軍に該当しているという衝撃的なデータもあります。
肥満は、様々な生活習慣病を引き寄せます。
現に、沖縄の「糖尿病死亡率」は男性6位、女性1位となっており、これも肥満人口の増加が後押しをしていることは間違いないでしょう。
何が原因なの?
1つ目は、お酒によるアルコールの過剰摂取です。
アルコールを過剰摂取すると糖質の過剰摂取にもつながり、それが糖尿病にもつながります。
また、沖縄は「肝疾患の死亡率」が男女共に1位となっており、全国平均の約2倍の死亡率になっています。
2つ目は、食の欧米化です。
戦前、沖縄の人が食べてた食事は主食はサツマイモで、緑黄色野菜やゴーヤ、色々な大豆製品もよく食べ、豚肉などの肉や魚も食べるが、たいていは菜食中心の食事をしていたそうです。
そのため伝統的な沖縄の食生活は、抗酸化物質など体に欠かせないビタミンとミネラルが豊富で、カロリーは低い。
このような食生活から沖縄県民の平均摂取カロリーは健康な成人の摂取基準を約11%も下回っていたそうです。
このことから昔の沖縄の人は自然にカロリー制限をしていたことがわかります。
戦後、沖縄にアメリカ軍の基地ができ、ファーストフードなどの食が進出してきました。
そこから炭水化物が食の中心になったことから摂取カロリーが増加し、肥満の原因に繋がっているのではないでしょうか。
3つ目は、運動不足です。
沖縄の男性の1日の平均歩数は7655歩で、女性の1日の平均歩数は7091歩です。
全国平均と比べると男性が416歩少なく、女性も301歩少ないです。
沖縄は車社会で運転免許を取ると、いつでも自動車を利用してしまい、歩くことが減っているのが原因である。
また、高校卒業後に運動習慣がなくなってしまった人が多く、運動習慣のある人は約3割であり、特に20代~40代は仕事や結婚などで家庭を持ったりなどで忙しく、運動する人が少ない傾向にあります。
全国 | 沖縄 | 差 | |
男性 | 8071歩 | 7655歩 | -416歩 |
女性 | 7392歩 | 7091歩 | -301歩 |
解決への動き
肥満にならないように意識するだけで、糖尿病や心疾患などあらゆる病気を予防することができます。
肥満にならないように意識しなければいけないことは、
①お酒を飲みすぎない
②炭水化物を取りすぎずバランスの良い食事を心がける
③運動の習慣化や階段を使う、少しの距離なら歩くなどの意識
これらのことを意識するだけで、病気の予防だけでなく、長生きにもつながります。