現状
沖縄諸島には、この地域にしかいない動植物が多く生息しており、その中には天然記念物や、絶滅危惧種など貴重な生き物も含まれています。
そのような貴重な在来種(元々その地域に生息している動植物)とは別に、外来種(人間の手によって持ち込まれた動植物)と呼ばれる動植物がおり、その外来種の中には在来種の生態系を脅かすものも少なくありません。
例えばマングースはヤンバルクイナを捕食してしまうので、その結果ヤンバルクイナの数が減ってしまうということに繋がるのです。
植物界においても繁殖力の強い外来種が、在来の植物を枯らしてしまったり、農作物への被害も出ています。
在来種が激減してしまうことで、今まで保たれていた生態系が大きく崩れてしまうこともあり、美しい景観が損なわれてしまったり、外来種による農作物への被害や、人間への直接的被害など、人に対しても様々な被害が及んできてしまうことが問題となっています。
何が原因なの?
ペットとして飼育されていたものが逃げ出したり、無責任な飼い主により捨てられてしまった動物や害獣駆除のために持ち込まれ動物が野生化してしまうことが原因と言われています。
また、観賞用や緑化用に持ち込まれた植物の種子や根が離れた地域で広がってしまい、数を増やしてしまった事が原因と言われています。
解決への動き
沖縄県では2000年度より、環境省は2001年度よりマングースの捕獲を行っており、2005年度にはマングースが特定外来生物に特定されたことを受け、大宜見村塩屋~東村福地ダムのライン(SFライン)以北からマングースを根絶する防除実施計画が立てられこれまでの防除事業によりマングースの生息密度は大きく低下してきました。
それに伴いヤンバルクイナなど希少な従来生物の分布域、生息密度の回復が確認されています。
生け捕り用のわなや、マングース探知犬、センサーカメラなどを導入し、2022年までに本島北部からマングースの根絶を目指しています。
ここまでマングースを例にしてきましたが、実は犬や猫も野生化してしまうとノイヌ、ノネコと言われ、在来生物や我々人間にも病気の媒介などとして害を及ぼすことがあります。
飼えなくなってしまったからと言って、元々生息していなかった地域へ放ってしまうと、その地域の生態系を大きく損なってしまうことがあるので、無責任な行動は絶対にしてはなりません。