現状
マイノリティとは「少数派」という意味ですが、性的マイノリティとは同姓が好きな人や、生まれつき自分の性に違和感を覚える人、あるいは性同一性障害などの病気とされている人々のことを言います。
レズビアン(女性の同性愛者)、ゲイ(男性の同性愛者)、バイセクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(法的性別とは別の性別で生きることを望む人)の頭文字をとって、LGBTとも呼ばれています。
「異性を愛するのが普通だ」「心と身体の性別が異なるはずがない、性別は男と女のみだ」と考える一般的な人からすると少数派であるがゆえに、理解されずに苦しんだり、差別や蔑視され、排除されてしまうことが多いことも問題視されています。
また、同性愛と性同一性障害は別物であるため、問題が複雑化している事もありますが、いずれにしても個人の人権は守られる必要があると言えます。
性的マイノリティに関する問題点
- カミングアウトによる偏見、差別
- 就職活動における不利益
- 男女に区別された施設を利用する際の心理的負担
- 異性婚と同等の権利を得られない
何が原因なの?
この問題は、未だに議論をされ続けている深い問題と言えるでしょう。
ヒトの自然の営みとは
何が自然か?と考えると、もちろん男性と女性の両性が結婚をし、子どもをつくり、家庭をつくることが自然と言えます。これは、生物界で考えるとオスとメス、植物でも雌株や雄株などがあり、世の中の主流がペアシステムで成り立っていることに由来し、人間もまたヒト科という生物の中の一種族であることから、男性と女性が結び付き、子を生み育てるということが自然と考えられます。
また、その自然の中で社会的秩序を保ちながら、現在の一夫一妻制度が人間社会に根付いてきて、それが幸福の重要な要素を占めると考えられてきましたし、秩序を保つための伝統的な社会文化であると思われます。
「自分たちと違う存在」を差別する心
ヒトは、自分の身の回りの大多数と違う異質な存在に対して、無理解であるほど、差別の心が生じやすくなります。
肌の色が違うといって、人種差別をしたり、歴史的な敵対国で生まれたという理由で、○○人は敵だと決めつけたり、手足のない障害者を蔑んだりと、外見や国籍、民族、家柄、職業、性別や年齢、思想や能力や障害・病人に対してなど、ありとあらゆる対人関係で差別や偏見が生まれます。
逆の立場になればわかることですが、私たちが日本人というだけで差別してくる人たちもいますし、一昔前までは「沖縄出身」というだけで内地の人たちから差別を受けていた時代もありました。
しかし、それは正当な差別でないことは分かり切ったことであり、少数派であるがゆえの無理解からくる差別であると分かります。
個々人への理解が深まれば、差別や偏見は和らぎます。
性的マイノリティの方々も、自分ではどうしようもない心の状態となってしまって悩み、傷ついている人たちもいます。
そのような人たちもいる、ということを理解しておくことは大切なことだと思います。
家族の絆の希薄化?
近年価値観が多様化したことによって、本来幸福の源泉であるはずの夫婦の絆が薄れ、家庭が崩壊してしまう傾向が強くなっていると言われています。
令和元年のデータでは、日本の年間の婚姻件数は59万9007件で、離婚件数は20万8496件です。離婚件数が婚姻件数のおよそ3分の1となっています。
(※ 飽くまでこの1年間の件数比較で、結婚した夫婦の3分の1が離婚するという意味ではありません。)
ちなみに都道府県別の離婚率は、残念ながら沖縄県はワースト1位です。
本来の家庭で受ける愛情を受けられずに、後天的に愛への価値観が変わってしまうケースも指摘されています。
また、妊娠期のストレスが多い女性から同性婚者が生まれる確率が高いという統計結果もあるようです。
人間関係の愛情に対して、改めて考えるべき時代になっているのかもしれません。
解決への動き
性的マイノリティへの配慮のために、学校ではジェンダーレス制服が登場しています。
ジェンダーレス制服とは女子生徒がスカートのみではなく、パンツスタイルの制服を選べるようになり、採用校は増加傾向にあります。
東京ディズニーランドでは、園内のアナウンスを変更しました。以前は、
「Ladies and Gentlemen, Boys and Girls」
でしたが、これが廃止となり、
「Hello Everyone」に変更されました。
このような動きは日本航空JALでも行われていますが、更に拡がってくると思われます。
既に世界の約20%の国や地域が、同性婚あるいは登録パートナーシップなど同性カップルの権利を保証する制度を持っています。
北欧のフィンランドでは、既に1万人の子どもがLGBT家族で育っており、差別をなくした「多様性」を受け入れる体制がかなり整っています。
今や時代は変わりつつあると言えるでしょう。
確かに異性婚が増えることが自然と言えますし、伝統的な家庭が増えることが望ましいと考える意見が多いことは分かります。
しかしながら、たとえ同性同士であっても信頼できるパートナーがいる人達が多い社会の方が、結婚せずに独身が増えていく社会よりも、より良い社会という意見もあります。
SDGsは「誰一人取り残さない」ということを原則としています。様々な立場の人たちを配慮した多様性を受け入れる社会がより求められていると言えるでしょう。